相変わらず外から帰ってくると
上階のストーカーは床をドンドンと
音を立てながら歩き、
また、わざわざ机を引きずって
ギーギーと音を立てる。
俺様が帰って来たぜというマーキング、
マウンティングである。
だが、それもあと数日。
契約日より少し早めに
このアパートを出ようと思っている。
この事件の全容を肯定的にイメージすると、
円相としたい。
この事件は昨年9月に始まり
今年1月末で終わりだ。
このアパートを出て、
次のアパートに入るまで
1週間の空白期間を
わざと作った。
円相の切れ目である。
今のところ押さえてあるのは2日分の宿だけだが、
狭いホア浜の街、なんとかなる。
ホテルは供給過剰で前日、当日でも
選ばなければいくらでもある。
上下に街を移動しても4、5キロ程度の
距離だ。歩いても行ける。
毎日シュミレーションして近づいた
結論である。